今回のブックレビューは、
*** 『転生した子どもたち―ヴァージニア大学・40年の「前世」研究』
     ジム・B・タッカー 著/笠原敏雄 訳 ***
です。内容を一部抜粋してご紹介します♪♪


転生した子どもたち
―ヴァージニア大学・40年の「前世」研究


著者:ジム・B・タッカー
訳者:笠原敏雄




他界の報告

 死んでから生まれるまでの間に他界で体験したことを語った中心人物は、他にもいる。リーという名前の少年は、生まれ変わる決意をした記憶があると言った。他の存在の協力を得て、この世に戻ってくる決断を下したというのだ。また、前世の母親は今の母親よりもきれいだったとも述べた。今の母親は、その批評を、気を悪くすることなく受け止めた。第1章の初めに登場したウィリアムという少年は、死後にどんどん上に昇って行ったことを話した。天国では、神とも対面したし動物たちの姿も見たという。
 第7章の冒頭で紹介した、小学校の記念写真で祖父を言い当てたサム・テイラーという少年も、神と出会ったことを話している。サムは神に、天国から戻って来るための券をもらったという。サムの説明によれば、それは名刺のようなもので、緑色の矢印が何本かついていたという。このように、いささか空想的に聞こえる話に加えて、サムは、死んだ時に自分の体が天国まで飛んで行って、それと同時に誰かが死んだとも言った。また、天国で「フィル伯父さん」に会ったことも話した。サムの祖父は、妻の姉の夫と親しくしていて、その義兄を「フィル伯父さん」と呼んでいたのだ。サムは、前世でフィルの足を焼いたと言った。祖父とフィルがいたずらしあっていた頃、フィルが靴を履く前に祖父がその靴をあぶっておく「足あぶり」のいたずらをしばしばしたというのだ。
 死んだ異父兄の傷跡と一致する母斑を三個持っていた、第4章の初めに紹介したパトリック・クリステンソンという少年も、「海賊ビリー」という名前の親戚と天国で言葉を交わしたと語っている。その親戚は、山中で至近距離から撃たれて死んだとのことだった。パトリックの母親は、そのような話を聞いたことは一度もないと言ったが、自分の母親にパトリックの発言について尋ねたところ、海賊ビリーというあだ名のいとこが、本当にそういう死にかたをしていることを聞かされたという。