真理への道はただ一つ「人間は神の子だ」ということである。
光明歌壇 《２０２２年度》
福岡教化部の歌人達による歌の会、光明歌壇です。
※毎月第４木曜日にLINEで「ひまわり短歌会」を開催しております。
私も一緒に参加したいと言う方がいらっしゃいましたら、教化部・松尾までご連絡下さい。
光明歌壇 《２０２３年３月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 夕暮れに電線に集く雀たち遊びたりぬかしゃべりたりぬか宮森 和子（勝山地区連）
- ゆっくりと水路に並ぶ水鳥を冬の晴れ間に立ち止まり見つ中村 智子（勝山地区連）
- 手作りのおせち並べてその横に松の葉添えて新春迎う志岐 咲江（和白地区連）
- ウクライナ遠くなようで近い国何が出来るかふと考える壬生（にぶ） ちどり（荒江地区連）
- 山姥の蓬髪なるか冬枯れて白茶けている萱草の葉は薛(せつ) 光子（福間地区連）
光明歌壇 《２０２３年２月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 愛宕山あえぎ登れば海青く空の高きに鳶が舞えり西野 悦子（天神地区連）
- 早朝の座席に眠る女学生指の先には鉛筆だこあり山田 智世（春日地区連）
- 足とどめ見れば小川の岸近く白水仙に朝露光る上田 道子（宗像地区連）
- 打ち直しの布団に入れば暖かく送りくれたる父母を思いぬ宮脇 和子（勝山地区連）
- 架橋より姿を見せず聴こえ来る小鳥の囀り賑わいており稲葉 さつき（行橋東部地区連）
光明歌壇 《２０２３年１月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 信長のながめし月を我もまた今宵の皆既月食に見る鈴木 昭子（しようこ）（春日東地区連）
- 苔むせる墓標の下の石段に語りつがるる古の道陣山 充子（行橋東部地区連）
- 百舌来たる高鳴きはまだ草やぶの杭のあたまに長き尾を振る薛(せつ) 光子（福間地区連）
- 玄関に蕾をつけし山茶花は父植えくれしあわき桃色木下 美恵子（行橋東部地区連）
- 冬じたく今日の陽ざしは逃がすまじ不用の物は思い切り捨つ西野 悦子（天神地区連）
光明歌壇 《２０２２年１２月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 老夫婦共に相手の杖となり老いたる道の石橋たたく陣山 充子（行橋東部地区連）
- 子ども等は宿のベッドで飛び跳ねるコロナの夏の弾ける笑顔宮森 和子（勝山地区連）
- 職引きて十年ようやく家事に慣れゴーヤの佃煮南瓜の煮物西野 悦子（天神地区連）
- 夫からの携帯電話の声聞けど見舞い叶わぬコロナ禍の日々上田 道子（宗像地区連）
- 街路樹のイチョウ並木の懐かしさ閉校となりし郷里に来れば中村 智子（勝山地区連）
光明歌壇 《２０２２年１１月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 夕暮れに彼岸花の芽見つけたり秋の気配に穏やかなりて中村 智子（勝山地区連）
- 野の草の実も熟したか庭に来る雀の数の今日は二・三羽薛(せつ) 光子（福間地区連）
- 世の平和石に刻みて奉納す荒穂の宮は七柱神川島 久男（筑紫地区連）
- 初めての佃煮づくりは芋のつる朝餉に添えて昔を味わう木下 美恵子（行橋東部地区連）
- 満塁で投げる球児の眼光と負けぬ気迫を見て奮い立つ宮森 和子（勝山地区連）
光明歌壇 《２０２２年１０月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 去年より十日早いと夫の言う薮萱草の最後の一花薛(せつ) 光子（福間地区連）
- 山笠の鼓動聞こゆる台上がり火打ち鳴らして送り出したり上田 道子（宗像地区連）
- 参道の暑さ忘れて見上ぐれば風鈴鳴れりきらりきらりと川島 久男（筑紫地区連）
- 老い兄の青田の稗を抜きており作業着の背は汗に濡れつつ稲葉 さつき（行橋東部地区連）
- 鬼百合の花粉をつけて帰りし日母笑いつつ払い落とせり西野 悦子（天神地区連）
光明歌壇 《２０２２年９月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 山深き水田にうつる峰みねに朝陽昇れり鏡のごとし上田 道子（宗像地区連）
- 梅雨どきに母の使いし雨傘を持ち帰り来て傘立てに差す中村 智子（勝山地区連）
- すいか種口とがらせて飛ばす距離競う子ども等足ぶらぶらと志岐 咲江（和白地区連）
- 育てたるブルーベリーをいただきて術後の夫と口に含みぬ木下 美恵子（行橋東部地区連）
- 平成の電車が走りゆく駅に手を振る子等の笑顔明るし陣山 充子（行橋東部地区連）
光明歌壇 《２０２２年８月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 代掻きを終えし水面に点々と小さき波紋の水澄ましおり稲葉 さつき（行橋東部地区連）
- 人影にたちまち群れは飛び立ちぬ一拍遅れの子すずめ一羽薛(せつ) 光子（福間地区連）
- 野いちごの紅き実つまみ幼き日口赤くして友と食べたり志岐 咲江（和白地区連）
- じゃがいもを貝堀りのごと掘る孫ら顔出す芋に声かけている宮森 和子（勝山地区連）
- 昼ふけの耕運機の後白鷺が餌を探してついばみ歩く上田 道子（宗像地区連）
光明歌壇 《２０２２年７月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 友くれし淡き黄色と紫が優しく立てるアイリスの花木下 美恵子（行橋東部地区連）
- 喜寿すぎて再び習字始めたり一つ一つの知識がうれし陣山 充子（行橋東部地区連）
- 亡き母の好みし花と友見上ぐえごの木白き花を降らしぬ薛(せつ) 光子（福間地区連）
- 誕生の朝に渡せしラブレターお金じゃないのと妻は笑いぬ川島 久男（筑紫地区連）
- 多摩川の茂みに巣作りする雪加蜘蛛の巣のばし巣を作りたり田上 めぐみ（新宮地区連）
光明歌壇 《２０２２年６月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 境内の切株に坐り見上げるは満開桜空の青さよ志岐 咲江（和白地区連）
- やまなみの春のおとずれ野焼きの始まりぬワラビ・タラの芽楽しみて待つ鈴木 昭子（春日東地区連）
- 和の国の友好の証の桜木はウクライナ・ロシアにて咲きているやも宮崎 弘（福岡地区連）
- 新緑の桜並木の一枝に残りの桜白々と見ゆ酒井 幸江（黒崎地区連）
- 山間の小石原焼店に寄り夫婦茶碗を手に取りて見ぬ中村 智子（勝山地区連）
光明歌壇 《２０２２年５月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 空襲の音に怯える母子の目に涙に歪む空が見えたり宮﨑 弘（福岡地区連）
- 玄米に黒豆入れて温飯をコロナで会えぬ友と食べたし薛(せつ) 光子（福間地区連）
- ミニダリア赤く清らに咲ける朝家事はかどりて心も軽し西野 えつこ（天神地区連）
- 塀越えて寒中に咲く隣り家の白木蓮はかがやき増せり志岐 咲江（和白地区連）
- はにかみて制服を着る少年は背丈伸びたり入学の朝中村 智子（勝山地区連）
光明歌壇 《２０２２年４月》
光明歌壇大内マツノ・選
- にぎやかにデイサービスのバスを待つ咲き初めたる梅の香りて鳥井田 恵美子（行橋東部地区連）
- 此の先の命支へむと折りつつペースメーカー埋めていただく堀 ひろ子（下田川地区連）
- 兄くれし生家の庭の水仙の一花づづが輝いて見ゆ木下 美恵子（行橋東部地区連）
- 採れたてのホウレン草を湯がきたり寒にうたれて甘み増せるを稲葉 さつき（行橋東部地区連）
選者・大内マツノ- 嬉し気にママが作りしポセットと言いつつ飴を我が手に載せる
- 亡き夫の着物の躾け解かぬまま箪笥の中に樟脳におう
- 夕暮れの裏の団地の排水溝蕗ゆでたるか香のたちのぼる